廃校跡に獣医養成拠点整備へ 曽於市と鹿児島大が連携
曽於市は鹿児島大学共同獣医学部と連携し、県立財部高校跡地(同市、約4万2000平方メートル)を県から譲り受け、獣医師養成の臨床・研究施設「南九州畜産獣医学拠点」を整備する方針を固めた。牛などの産業動物に特化した獣医系大学の共同実習拠点とし、卒後教育にも対応。全国から学生や畜産関係者らを呼び込み、地域活性化につなげる。

10日の市議会本会議に設計費8091万円を盛り込んだ2021年度補正予算案を提案する。24年4月の利用開始を目指しており、総事業費は20億円を超える見通し。市は地方創生拠点整備交付金の活用を視野に入れ、事業を地域再生計画に位置付ける考えだ。

市企画課によると、旧校舎は教育・連携棟、管理・研究棟に改修。講義室、実験室、宿泊室のほか、畜産関連をはじめとする民間企業との共同研究スペースも設ける。利用者数は学生を中心に年間500人を見込む。

グラウンドは「産業動物モデル飼育エリア」とし、環境に配慮した最新式の牛舎(400頭)、鶏舎(5000羽)を整備する。臨床研修のほか、省力・自動化や動物福祉に対応した飼養技術の実証にも取り組む。体育館や武道館、駐車場がある場所には20頭規模の馬飼養施設を造る。

 15年度末で閉校した財部高校の跡地を巡っては、市民らによる検討委員会が17年2月に宿泊研修、美術展示といった活用策を答申したが、いずれも実現しなかった。獣医学拠点案は19年に浮上し、市は県、鹿大と協議を続けていた。

 五位塚剛市長は取材に「鹿児島だけでなく、日本の畜産にとって重要な施設になる。高校跡地に近い財部市街地のまちづくりにもつなげていきたい」と話した。

PETLIFE24事務局2021.09.30

NEW 投稿一覧 OLD
このページのTOPへ
Copyright(c) INUKICHI-NEKOKICHI NETWORK, ALL Rights Resrved.