クマ被害相次ぐ、赤城山 今月だけで負傷者3人

【群馬】赤城山のふもとでクマに襲われる被害が相次いでいる。前橋市が把握しているだけでも、7月に3件の被害があった。夏山登山や観光が本格化する時期だけに、市は7月29日から被害が出た場所を中心にパトロールを実施。観光客や住民に注意を呼びかけている。

 「赤城山でクマが目撃されるのは珍しいことではないが、人が襲われる被害が相次いだことはこれまでなかったのではないか」。前橋市農政課の担当者は驚く。

 桐生署などによると、7月7日午前9時ごろ、主峰・黒檜山(1828メートル)の登山口付近を歩いていた男性(62)が、茂みから出てきた体長1メートルほどのクマに襲われ、頭と両腕にけがをした。別の登山客が消防に通報。県警のヘリコプターに救助され、病院に搬送された。命に別条はなかったという。

 同12日午前5時半ごろには、同市柏倉町の「カネコ種苗ぐんまフラワーパーク」近くで、犬を連れて散歩中の地元住民(66)が路上でクマと遭遇。首や腕などをかまれて重傷を負った。さらに同16日午後2時15分ごろには、森林で林道の測量作業などをしていた男性(25)がクマに突然襲われ、頭や背中などを負傷した。

 3人にけがを負わせたのが同じクマかどうかは分かっていないが、市有害鳥獣対策係によると、7月に入りクマの目撃情報は27日現在で15件に上っている。件数自体は例年並みだが、地元住民は「赤城山のふもとは住宅開発も進み、人家も多くなっただけに、人とクマの距離が近くなったのではないか」と話している。

 市は、クマが目撃された場所をウェブ上で示す地図を作製。近く本格的に稼働させる。さらに被害が発生した場所付近のやぶなどを伐採して見通しを良くするほか、イノシシやシカを捕獲する際に使う「くくりわな」(現在500基作動)を新たに100基増設した。箱わなも増やし、地元猟友会との連携も強化する方針だ。

 市の担当者は「夏はクマの食べ物が乏しく、えさを求めて広い範囲を行動することもある。決してごみは外に出さず、山に入る際も十分に注意してほしい」と呼びかけている。(編集委員・小泉信一)

PETLIFE24事務局2021.08.20

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