住宅街で群れをなす野犬 山口県周南、かまれて負傷・囲まれる…被害相次ぐ
 市街地にすみ着く野犬が問題になっている山口県周南市で、市民がかまれるなどの被害が2021年度に46件あったことが市のまとめで分かった。40件を超えるのは4年連続となる。直近1年間で目撃のピークは6、7月だった。市は出没する時間やエリアを知ってもらう取り組みを強め、注意を呼びかける。

被害の内訳は、人がかみつかれて負傷したケースが2件、囲まれたり追われたりしたのが33件、ペットへの危害が1件、物損10件。負傷は1、3月に久米地区のほぼ同じ場所で歩行中に襲われた。総数は20年度の56件から17・8%減り、2年ぶりのマイナスだった。

市は3月、出没の傾向を紹介する新しいサービスを始めた。通報アプリで得た1年分の目撃情報を月別や時間帯で分類し、グラフにしてホームページで公開した。従来は地図上で個別に確認できるだけだった。

直近の統計では、見かける機会は夏場に増える。目撃は7月が最多の137件で、次は6月の114件だった。時間帯は午前7時台が多い。地点は徳山地区の周南緑地とその周辺、JR新南陽駅近くの宮の前、県周南総合庁舎がある街中の住宅地と、広範だった。

 市内の野犬は、飼い犬が周南緑地で無責任に捨てられて増えたとの見方がある。今月1日には改正動物愛護法が施行され、所有者情報をたどれるマイクロチップの犬猫への装着が販売業者などに義務付けられた。市は引き続き遺棄の自粛を呼びかけ、増えるのを食い止めたい考えだ。

 市環境政策課は「被害をゼロにしたい。目撃の多い時間や場所を知り、危機を避けてほしい」と求める。遭遇したら目を合わさず立ち去るよう勧めている。

中国新聞社

犬吉猫吉編集部2022.06.30

NEW 投稿一覧 OLD
このページのTOPへ
Copyright(c) INUKICHI-NEKOKICHI NETWORK, ALL Rights Resrved.