パナソニックが保護犬・猫の譲渡会を開催 電機メーカーがなぜ?
大手電機メーカーのパナソニックは、4月29、30の両日、保護された犬や猫の譲渡会をパナソニックセンター東京(江東区)で開催する。同社が譲渡会を開くのは初めて。14の保護団体が参加、集まる犬と猫は350頭に上り、日本最大級の規模となる見込み。なぜ家電メーカーが動物の保護活動に乗り出したのか。担当者に聞いた。
愛犬家の社員のアイデア
愛護団体などに保護された犬や猫と、新しい飼い主をつなぐ譲渡会。電機メーカーのパナソニックが開催を決めたのは、ある愛犬家の社員のアイデアがきっかけだという。
同社では、ペットのにおいや生活臭を取り除く除菌脱臭機「ジアイーノ」がコロナ禍で需要が急拡大するなど人気商品となっている。ジアイーノのマーケティング担当者が2匹のトイプードルを飼う愛犬家で、長年、動物の殺処分問題などに関心を持ち、「パナソニックとして何かできることはないか」と思案していたという。
同社は2021年9月、動物保護活動に取り組む10団体にジアイーノを寄贈。団体側と意見交換する中で、「保護活動は興味のある人にしか情報が届いていない」「譲渡会ができる会場がなくて困っている」――などといった意見を聞いた。
そこで、同社の展示施設を利用して譲渡会を開くことに決めたという。
ペット市場はコロナ禍で拡大
コロナ禍で新しい生活様式が定着する中、ペット用品などの需要が高まり、国内のペット市場規模は年々拡大している。矢野経済研究所が21年2月に発表した「ペット関連総市場規模」では、19年の1.57兆円から22年は1.68兆円 (推計)と7%の増加予測となっている。
コロナ禍で新たにペットを飼う人も増えている。ペットフード協会が21年12月に発表した「全国犬猫飼育実態調査」では、全国の飼育頭数は犬が710万6000頭、猫が894万6000頭。新しく飼い始める人はコロナ前の19年に比べ20、21年とも増加しているといい、今後も同様の傾向が続くとみられる。
こうした市場拡大をにらみ、電機メーカーもペット専用の家電を投入する。シャープは18年に「ペット専用運転」機能を搭載した加湿空気清浄機を展開。パナソニックも同年、ペットの様子を外出先からスマートフォンで見守ることができる「HD ペットカメラ」の販売を始めている。
4月29、30日の譲渡会では、ジアイーノやペットカメラ、ペットの毛がからまりにくい掃除機「パワーコードレス」なども展示し、来場者に体験してもらうという。
パナソニックは「殺処分を減らすために保護犬・保護猫の譲渡を増やすことは、有効な手段の一つ。1匹でも多くの命を救うべく実施したい」としている。
なお、譲渡には動物保護団体の審査があり、譲渡時には費用が発生する。当日に保護犬・猫を自宅に連れて帰ることはできないという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/46fd5eefd166b64d70753f8e496996be54a702c5
PETLIFE24事務局2022.04.28
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