保護動物、次こそ幸せに 「イオンペット」飼い主の“学び”無償提供 千葉市と連携、譲渡先を仲介
 多頭飼育崩壊や脱走、野良犬猫の出産。保護動物を生むそうした環境を改善しようと、「イオンペット」(市川市)は適正飼育についての学びを無料で提供する店を千葉市内にオープンした。保護動物の譲渡だけでなく、飼い主になる心構えを伝え、飼育の際の相談までを一貫してサポート。行政とも連携した全国初の業態が注目されている。

 昨年12月、千葉市美浜区にオープンした「ペテモ ライフハウス ピアシティ稲毛海岸」。千葉市動物保護指導センターと協定を結び、捨てられるなどして同センターが収容する犬猫を新たな飼い主に譲渡している。

 255平方メートルの広大なスペースには、犬猫と触れ合える部屋などを整備。「次は絶対に幸せになれるように」と心を込めてトレーニングしている柘植由梨子マネジャー(43)は、次の家族との橋渡し役となるよう心を砕く。同じフロアには動物病院やペット用品店などがあり、新たな出合いが生まれるよう促す環境にもなっている。

 イオンペットによると、開店から約2カ月で計14匹の譲渡が成立した。うち猫10匹、犬1匹はすでに新たな家庭で暮らしているが、譲渡後も悩み事相談などアフターサービスを忘れない。

同店が力を入れるのが、譲渡に当たっての適正飼育に関する学びの提供だ。

 適切な飼育環境や飼育用品の知識、マイクロチップ装着や不妊・去勢手術の重要性など、飼い主になる心構えをまず知ってもらうことで、保護動物になってしまう犬猫を減らすことを目的としている。

 同センターによると、千葉市では2015年から殺処分ゼロが続いているが、しつけ不足や人間に不信感がある犬猫は譲渡先が見つかりにくいという。21年度の収容数は犬42匹、猫289匹に上る。職員やボランティアだけでは手が回らないのが現状だ。

「行政も発信しているが、適正飼育の啓発は難しい面もある」と柘植さん。イオンペットの知名度を生かして発信するのも狙いの一つといい、ペットを取り巻く社会の改善に向け「この形を全国に広げていきたい」と意気込む。

PETLIFE24事務局2023.03.03

NEW 投稿一覧 OLD
このページのTOPへ
Copyright(c) INUKICHI-NEKOKICHI NETWORK, ALL Rights Resrved.