犬が人の顔を舐めたがるのはなぜ?理由と注意点を獣医師が解説
愛犬がしっぽを振ってくれたり、嬉しそうに飛びついてきたり、顔を舐めてなついてくれると、飼い主も幸せな気持ちになるもの。犬が人の顔をペロペロと舐めるのは、「大好き」「会いたかった」という気持ちの表れのことが多いと言われていますが、実は他にも理由があるんだとか。

犬が人の顔を舐めたがる理由と、その際の注意点について、獣医師ら専門家による解説を<ウーマンズ・デイ>から紹介します。

犬が人の顔を舐めたがる理由は?

アメリカ・ジョージア州にあるクリッター・フィクサー動物病院のテレンス・ファーガソン獣医師によれば、大前提として「犬は愛情を示すために人を舐める」とのこと。他にも、子どもが毛布やお気に入りのぬいぐるみを握りたがるのと同じように、自身の不安を和らげたり、心を落ち着かせたりすることが目的の場合もあるそう。

加えてアメリカン・ケネル・クラブ(AKC)によると、「人の肌はやや塩っぽい味がするため、これが好きで舐める犬もいる」とのこと。ワークアウトで汗を流した後に犬に舐められることが多いとしたら、これが理由かもしれません。

さらに、相手を舐めるのは「野生生物の名残」と考えられていると、ドッグフード製造販売会社のペディグリー社は解説。群れの結束力を高めたり、リーダー格の犬に敬意を示したりするために相手を舐めるという、野生の本能が働いているのではと言われています。つまり、飼い主に対する服従心と、絆を深めたいという気持ちの表れだとも考えられるのです。

成犬よりも子犬のほうがよく舐める

ファーガソン獣医師によると、犬種にかかわらず、犬は相手を舐める習性があるけれど、その傾向は子犬のときの方がより強いのだそう。子犬はこの世界に生まれてきてまだ間もなく、物事を理解しようとしている段階。そして物事を理解するため、手の代わりに舌を使っているというわけ。

また、ペディグリー社によれば、野生の子犬は空腹のときに母犬の顔を舐め、それに対して母犬は、鳥の母親と同じように胃の中の食べ物を吐き戻して子犬に与えます。母犬にとって食べ物を口にくわえて運んで戻るよりも、食べ物を食べて胃の中で運ぶほうが労力の節約になることから、このような行為をするのだそう。

つまり、子犬が熱心に顔を舐めてくるのは、お腹が減っているからという場合もあるということ。ただし、犬は行動を繰り返すことで学びを得るため、顔を舐められたときに餌をあげるというクセをつけてしまわないように気をつけましょう。

顔を舐めるのをやめさせるべきケース

愛犬のキスに愛しさを感じる人が多い一方で、状況によっては問題の原因になったり、問題が潜んだりしている場合も。

ファーガソン獣医師は人獣共通感染症の存在について触れ、お互いの感染を防ぐための方法として「口や口の周辺を舐めさせるのはやめるべき」と話します。

また、AKCのホームページには、犬が過剰に飼い主や自身の体、物を舐めるのは、「不安、退屈、痛みのサイン」の場合もあると掲載されています。さらに、吐こうとして床や身近にあるものを舐めるケースも。屋外であれば、嘔吐を促すために草を食べるところを、屋内では吐き気を和らげるために、カーペットや床材を舐めることがあるのだとか。

愛犬がそういった理由で過剰に何かを舐めている疑いがある場合は、行動を注視し、必要に応じて獣医に相談しましょう。

たまに甘えてペロペロしてくる、あるいはまだ子犬で舌を使って周りの世界を知ろうとしたり、食べ物が欲しいと知らせてきたりしているなら、愛犬のキスを快く受けてもあまり問題はなさそう。ただし、過度にご褒美を与えないようにすることと、口周りへのキスを避けるよう注意しましょう。
※この翻訳は、抄訳です。

PETLIFE24事務局2023.02.01

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