鹿児島県・大隅半島の錦江町に住む親子が二人三脚で製造しているペット用のジャーキーが今、ひそかな人気を呼んでいます。そのジャーキー、ある動物が原料になっているのです。
何の肉で作られているのでしょうか?
犬がおいしそうに頬張っているジャーキー。よっぽどおいしいのか、おかわりを催促しています。その名も、「ペットのおやつ」。犬も猫も食べられ、物産館などですぐに売り切れになるなど実はひそかな人気を集めているんです。 考案したのは錦江町の山の中にある宿利原地区に住む主婦、笑喜南(しょうき・みなみ)さんです。家事と子育ての合間をぬってコツコツ作っているこのジャーキー。何の肉で作られているかというと…
畑に残るイノシシの足跡
誕生のきっかけは、義理の父、和則さんの仕事が関係していました。和則さんが運転する軽トラックが、畑の横で止まりました。 笑喜和則さん「これ、イノシシの足跡です」 農作物を食い荒らすイノシシ。錦江町では、農作物の鳥獣被害が2021年だけでも約1500万円に上っていて、和則さんは、町の有害鳥獣捕獲隊員としてイノシシの駆除を行っています。
笑喜和則さん「年間に5頭6頭産みますから。5倍、6倍になっていくんですよ。それを捕らんと10倍20倍となっていくんですよね。1000おれば1年で5000頭になるわけですよ。」 和則さんが駆除したイノシシは、2021年1年間で328頭。人が食べない分は、これまで土に埋めて処分していたそうです。 笑喜南さん「重たいので山に埋没処分大変そうだなと思って見てました。もったいないなとも思ってました。大量に廃棄するのでもったいないなと思ってました」
飼い主の評判は上々
廃棄されるイノシシの肉を何かに利用できないか?南さんが思いついたのがイノシシのジャーキーでした。高タンパク、低カロリーの赤身肉を薄切りにして、70℃で14時間乾燥させます。 笑喜南さん「自分が犬を飼っていたのもあるしその犬に安心安全なジャーキーをあげたいと思っていたし、佐賀県の道の駅でイノシシで作ったジャーキーがあって、珍しくてこれなら作れるかもしれないと思って作りました」 南さんが個人で作っているため1カ月で約30袋の製造が限度ですがペットの飼い主からの評価は上々です。 飼い主「うちの犬はアレルギーがあって好き嫌いもすごく激しいので、食べっぷりにびっくりしました。あんなにいっぱい食べるのは珍しいです!」
イノシシジャーキーの販売を始めて約1年。南さんは、今後、このジャーキーを通して、自分たちが住む宿利原地区の知名度が上がってほしいと願っています。 笑喜南さん「ジャーキーで興味を持ってもらって、宿利原がどんな所か来てもらって、いいところだなと思っていずれ住んでもらえたら嬉しいと思います」 山の中にある集落の新名物、イノシシジャーキー。地域おこしの救世主になるかもしれません。
1袋550円
このイノシシジャーキー、鹿屋市にある物産館、『どっ菜市場』や、ネットでも購入できます。ちなみに人間が食べる食品としての製造許可は取っていないため、あくまでペット用だということです。
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/ktstv/region/ktstv-10157
PETLIFE24事務局2022.05.20
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2023/11/06