草ストローがペンギン寝床に…脱プラ再利用の輪 カフェと動物園連携

自然由来のストローをペンギンのベッドに――。循環型社会に貢献するため、カフェで使い終わった植物製ストローを福岡市動物園のペンギン舎で再利用する取り組みが始まる。全国的にも珍しい取り組みで、身近な動物園と連携して環境意識を高めるため、来店客に回収への協力を呼びかけている。(川口尚樹)

発案したのは、農業用機械メーカーの「オーレック」(福岡県広川町)。製品のPR拠点である福岡市中央区赤坂の「オーレック グリーンラボ福岡」のカフェで、植物の茎でつくった「草ストロー」を今月から使い始めたのがきっかけだ。

草ストローは、植物「レピロニア」の茎からつくられ、ベトナムから輸入されている。オーレックは主力製品として草刈り機を製造しており植物に着目。太さは1本1本ばらつきがあるが、紙のストローより耐久性はある。オーレックは「自然由来に変えるだけでなく、再利用を出来ないかと考えた」と、市動物園に打診した。

 市動物園は今年1月にペンギン舎を改装したばかりで、約30羽を飼育している。ペンギンの巣箱は寝床として植物を敷き詰めるのが一般的で、入手しやすいヨシが多く使われている。レピロニアとヨシは形状が似ており、動物園は今冬にヨシを取り換えるタイミングに合わせ、本格的に草ストローを導入する予定だ。

 オーレックはカフェ店内に回収ボックスを設置し、年間約3000本の回収を目指している。回収した草ストローは、消毒した後、今月から動物園に提供を始める。ペンギンは巣箱で産卵したり、子育てしたりするため、草ストローの上で赤ちゃんペンギンが成長する姿が見られそうだ。

 飲食店などで使われるストローを巡っては、事業者にプラスチック製品の削減を求める「プラスチック資源循環促進法」が4月に施行されるのを前に、紙製ストローの導入など脱プラの動きが広がっている。オーレック経営総合部の佐々木竜哉さんは、「ゴミになるはずのストローがペンギン舎に使われることで、カフェの利用客も楽しみながら脱プラに取り組んでほしい」と話している。




PETLIFE24事務局2022.04.11

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